[大久保先生のプロフィール]
スギ花粉の飛散が増加する季節がやってきました。
大人でもつらい花粉症。お子さまの対策は万全ですか?
「子どものための花粉症対策」で、お子さまと一緒に、
つらいシーズンを乗り切りましょう。
こんな症状、ありませんか?
- 主な症状は「くしゃみ」
より「鼻づまり」 - サラサラだけでなく、
少し粘っこい鼻みずも - 鼻をピクピク、
口をモグモグ - 目をよくこするなど、
目の症状も
子どもの花粉症は、
鼻づまりや目の症状に注目!
鼻が小さくつまりやすいため、子どもの花粉症では、「くしゃみ」より「鼻づまり」が多い傾向にあります。子どもの鼻づまりを見分けるポイントは、口をあけているかどうかです。これは、鼻がつまると鼻で息をしづらくなり、口呼吸をするためです。鼻をピクピク、口をモグモグも花粉症のサインです。見逃さないように注意しましょう。子どもでは、目のかゆみ、充血など、目の症状をともなう場合が多いのも特徴です。
ちょっとした日常生活の工夫で
花粉をシャットアウト!
24時間しっかり対策しよう
学校に行くときは、
眼鏡やマスクで花粉を
シャットアウト
花粉の飛散量が多くても、子どもに外出を控えさせるのは容易ではありません。学校などへの外出時には、眼鏡やマスクでしっかり花粉症対策をしてあげましょう。家の中に花粉を持ちこまないよう帰宅時には玄関先で花粉をよく払い、洗顔、うがい、鼻をかむなど、体についた花粉をきちんと除去することを習慣づけましょう。子どもが普段と同じ日常生活や学校生活を送れるよう、家族全員で花粉から子どもを守ってあげることが大切です。
空気清浄機で
空中の花粉をキャッチ!
落下した花粉は
こまめにお掃除を
花粉症対策は、外出時や帰宅時だけでなく、家の中での対策も重要です。ポイントは、浮遊する花粉が床や家具などに落下する前に、空気清浄機で取り除くことです。花粉が子ども部屋の本やぬいぐるみなどに落下してしまうと、空気清浄機では除去されません。排気がキレイなタイプの掃除機で吸引したり、濡れ雑巾で拭き取るなど、こまめなお掃除を行い、子どもが気持ちよく呼吸でき、勉強がはかどる環境づくりを心がけてあげましょう。
喉のイガイガには、
加湿器が効果的
年や地域によって若干異なりますが、花粉が飛び始めるのは寒い冬からで、子ども部屋に暖房器具は欠かせません。その際エアコンを使用すると、フィルターに溜まった花粉や床に落ちた花粉が舞いあがり、浮遊しやすくなります。また、空気の乾燥は喉を傷めるため、就寝の際には枕元に加湿器を置いて、喉のイガイガを和らげてあげましょう。適度な加湿は、風邪やインフルエンザの原因となるウイルスの活動を抑えることにも役立ちます。
早期発見と早期ケアが重要
子どもの花粉症では、日常生活や学校生活におけるQOLの低下が大きな問題です。特に、花粉が飛び始める頃は受験シーズン真っただ中。つらい症状の放置は、受験勉強に必要な「集中力や記憶力」の低下につながることがあります。お子さまからのサインを見逃さず、つらい花粉症の症状を早期に発見し、早期に対策を立ててあげましょう。まずは、花粉症にならないためのセルフケアから。花粉症かな? と思ったら、医師または薬剤師に相談しましょう。
まずはセルフケアの
徹底が大切!
- 監修の先生
医学博士 大久保 公裕 先生
日本医科大学
耳鼻咽喉科学講座 主任教授
大学院医学研究科頭頸部・
感覚器科学 教授
付属病院耳鼻咽喉科・
頭頸部外科 部長
1959年東京都生まれ。日本医科大学卒業。同大学院耳鼻咽喉科卒業後、アメリカ国立衛生研究所(NIH)へ留学。帰国後、日本医科大学耳鼻咽喉科准教授を経て、現在に至る。専門は、鼻アレルギー、花粉症など、免疫アレルギー性疾患。特に、舌下免疫療法など、アレルギー性鼻炎の新しい治療法に積極的に取り組んでいる。